突然ですが、Googleが提供するプログラミング言語『Google Apps Script(通称:GAS)』をご存知ですか?
スプレッドシートやドライブ、Gmailといった、同じくGoogleが提供する各種サービスと連携し、自動化や業務効率化に繋がる最強のツールです。
他のプログラミング言語なら知っているけど、GASは知らないという方もいると思います。
この記事では、『Google Apps Script(GAS)とは何なのか』についてご紹介します。
GASの特徴や他のプログラミング言語との違い、メリット・デメリットについて解説していくので、ぜひご覧ください!
- Google Apps Script (GAS)について知りたい
- Excel VBAとの違いを知りたい
- GASのメリット・デメリットを知りたい
GASの始め方について知りたい方はこちからどうぞ↓
Google Apps Script(GAS)とは
冒頭でも述べた通り、GASはGoogleが公開、提供しているプログラミング言語です。
Googleの各種サービスをプログラムで動かし、それぞれのサービスを相互に連携させたり、時間の掛かる単純作業を自動化することが出来ます。
しかも、GASはローコード (Low Code) プラットフォームです。
従来のプログラミングと比較して、コードをほとんど記述せずにアプリケーションやシステム開発を行えます。
コードの記述を必要としないノーコードと比較しても、コードを自由に記述できる分、利用範囲が広く、外部サイトとの連携も可能です。
GASはユーザーにとってプログラムしやすく、使用用途も多岐に渡ります。
GASが注目されている?
下の図はGoogleトレンドで”Google Apps Script”と検索した際の2004年からのデータを表しています。

このデータからも分かるように、ここ数年でGASの人気が上昇していることが伺えます。
また、過去5年のGASとExcel VBAを比較したデータが以下の通りです。

2022年に入った頃から、GASとExcel VBAの人気度が逆転しています。
この背景にはChromebookの普及が1つの要因として考えられます。
Chromebookとは、Googleが提供するChrome OSを搭載したPCで、クラウドの利用を前提とした仕様になっています。
PC自体にアプリやファイルを保管するような負荷を抑えることができ、PC自体のスペックを必要としないため低コスト・高セキュリティを実現し、学校や企業での導入が進んでいます。
使用するアプリケーションはGoogleが提供するスプレッドシートやドライブであるため、これらを操作できるGASも人気が出てきたと考えられます。
他のプログラミング言語と比較してみた!
GASはJavaScriptというプログラミング言語をベースに作られています。
ですので、基本的なコードの書き方はJavaScriptとほとんど同じです。
では、GASとJavaScriptでは何が違うのでしょうか?
また、これまでExcel VBAは使ったことがあるという方もいると思うので、GASとVBAについても比較してみようと思います。
GASとJava Scriptの違い
GASとJavaScriptでは、実行環境が大きく異なります。
JavaScriptはローカルPCのブラウザに実行環境が搭載されていますが、GASの実行環境はGoogleのクラウドサーバー内にあります。
Webサイトを閲覧するためのソフトのことです。WindowsのInternet Explorer (IE)、iPhoneのSafari、GoogleのGoogle Chrome、その他Firefoxなどがあります。
実行環境がクラウドサーバー内にあることによって、開発環境を準備するという手間が省けます。
開発環境の準備では、自分でサーバーやアプリケーション、エディタを用意しなければならないため、プログラミング初心者にとっては高いハードルとなります。
この手間が省けるだけでも、初心者にとっては扱い易い言語であると言えます。
GASはGoogleのクラウドサーバー内で作動するため、複雑な開発環境が不要となり、すぐに始めることが出来ます。
GASとExcel VBAの違い
主な違いは3つです。順番に見ていきましょう!
① ベース言語が異なる
VBAはVisual Basic for Applicationの略で、Visual Basicというプログラミング言語をベースとしています。
Visual Basicは文法が簡単で覚えやすく、コードもあらかじめ用意されたものを順番に配置していくだけで、コードの記述が不要なので使いやすいのが特徴です。
GASのベースとなるJavaScriptとの相違点はありますが、どちらも初心者にとっては扱いやすく大きな優劣はありません。
② 操作の対象が異なる
GASはスプレッドシートなどのGoogleが提供しているアプリケーションを操作することが得意です。
一方のVBAは、ExcelなどのMicrosoft Officeアプリケーションを操作します。
どちらも開発環境の構築が不要で、簡単に自動化する事ができますが、操作対象は大きく異なるので覚えておきましょう。
③ 作動環境が異なる
VBAがローカルPCのアプリケーション上で作動するのに対して、GASはGoogleのクラウドサーバー内でで作動します。
クラウドサーバー内で作動するということは、複数のPCからサーバーにアクセスすることで共同開発が容易に行えます。
また、PCやブラウザが立ち上がっていなくてもプログラムを実行でき、イベントトリガーという機能を使うことで特定の時間にプログラムを実行する事も可能です。
GASのメリット・デメリット〜6分の壁って何?〜
GASのメリット・デメリットをまとめると以下の通りになります。
- 無料で利用できる
- 開発環境の準備が不要
- Googleアプリケーションとの連携が得意
- ローカルファイルを扱えない
- 実行時間に制限がある
- 実行回数に制限がある
デメリットについては、無料のGoogleアカウントを使うか、有料のGoogleアカウントを使用するかで異なりますが、無料のアカウントの場合はスクリプトを1つ実行するにあたり6分間という制限が設けられています。つまり、6分を超えるような処理はエラーとなり、スクリプトが強制終了します。
実行回数についても、例えばスプレッドシート作成数で言えば250/日というように上限が定められています。
とはいえ、一般的に使用する分には不自由することはありません。
プログラムの書き方によって処理時間を大幅に短縮することもできるので、6分を超えそうな時は対策を立てれば問題ないと思います。
まとめ
今回は『Google Apps Script (GAS)とは何なのか』についてご紹介しました。
始めやすく、扱い易いGASのを習得すれば、日々の業務を自動化出来たり、業務の効率化に繋がります。
ぜひ、挑戦してみてください!
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