プログラミングの世界に足を踏み入れると、必ずと言っていいほど耳にする言語が『Python(パイソン)』です。
この記事では、Pythonの基本的な概要とその魅力について詳しく解説します。
なぜPythonがこれほどまでに人気を集めているのか、その理由を一緒に探ってみましょう。
Pythonとは
Pythonは、1991年にオランダ人のGuido van Rossum(グイド・ヴァンロッサム)さんによって開発されたプログラミング言語です。
ヘビのデザインでお馴染みですが、名前の由来はイギリスのテレビ局BBCが放送した『Monty Python’s Flying Circus(空飛ぶモンティ・パイソン)』からきています。
そんなPythonはシンプルで読み書きしやすい文法を持ち、無料で利用できるため、初心者から専門家まで幅広い層に人気があり、コミュニティも活発です。
また、GoogleやInstagram、YouTubeなどの大手企業でも採用されており、信頼性の高い言語として知られています。
ライブラリやフレームワークも豊富で、数値計算からWebアプリ開発、AI開発など、さまざまな分野で使用されています。
Pythonの特徴
シンプルで読み書きしやすい
Pythonの文法は非常にシンプルで直感的です。
例えば、文字列「Hello, World!」を表示するコードを書く場合、PythonとC言語で比較すると以下のようになります。
#Pythonで書いた場合
print("Hello, World")
//C言語で書いた場合
#include <stdio.h>
int main(void)
{
printf("Hello,World");
return 0;
}
たった一文を出力するだけですが、これだけの違いがあります。
また、Pythonはコードの可読性を重視して設計されており、以下のようにインデント(字下げ)を使って階層構造を示すことでコードの見た目が整い、読みやすくなっています。
#Pythonの場合
x = 10
if x > 0:
print("xは正の数です")
else:
print("xは0か負の数です")
//C言語の場合
#include <stdio.h>
int main(void) {
int x = 10;
if (x > 0) {
printf("xは正の数です\n");
} else {
printf("xは0か負の数です\n");
}
return 0;
}
このシンプルさが、プログラミング初心者にとって大きな魅力となっています。
幅広い用途に活用できる
Pythonは、そのシンプルで読み書きしやすい文法と後述するライブラリの豊富さから、幅広い用途に活用できるプログラミング言語として知られています。
代表的な用途には以下のようなものがあります。
- データ分析 ⇒大量のデータを効率的に処理、分析、可視化
- スクレイピング ⇒ウエブページにアクセスして必要なデータを抽出
- Web開発 ⇒InstagramなどのWebサービスもPythonを利用して開発
- 機械学習 ⇒画像や音声認識、異常検知や故障予測
ライブラリが豊富
Pythonでは前述の用途をより簡単に実行するために、豊富なライブラリが用意されています。
ライブラリとは、その用途を実行するために必要な機能をあらかじめまとめたものです。
Pythonをインストールすると最初から含まれているライブラリを標準ライブラリ、外部から追加でインストールする必要があるライブラリを外部ライブラリといいます。
特に外部ライブラリは特定の用途に特化した機能を提供するもので、代表的なものには以下のようなものがあります。
- データ分析 ⇒NumPy、Pandas、Matplotlib
- スクレイピング ⇒Beautiful Soup
- Web開発 ⇒Flask、Django、FastAPI
- 機械学習 ⇒Scikit-learn、TensorFlow、PyTorch
コミュニティが活発
プログラミング言語の人気ランキングで1位に輝くPythonは、人気も年々増加しており、コミュニティが非常に活発であることも、大きな特徴の一つです。
インターネット上の情報も多く、GitHubなどのプラットフォームでは、Pythonに関する質問やプロジェクトが数多く投稿されており、初心者から上級者までが気軽に質問や相談をすることができます。
オンラインリソース以外にも、毎年開催される『PyCon』は、世界各地で行われるPythonのカンファレンスで、開発者が集まり知識を共有し合う場となっています。
Pythonが苦手なこと
Pythonはシンプルで読み書きがしやすく汎用性が高い反面、いくつかデメリットもあります。
実行速度が遅い
人間が書いたプログラムは、必ず0と1を組み合わせた『機械語』に変換されてコンピューターに送られます。
プログラミング言語は、機械語への変換方法によって2種類に分類でき、あらかじめ全てのプログラムを機械語に変換してから実行するコンパイラ型と、1行ずつ機械語に変換しながら実行するインタプリタ型があります。
コンパイラ型はあらかじめ機械語への変換が完了した状態なので、インタプリタ型よりも実行速度が速くなります。
Pythonはインタプリタ型であるため、コンパイル型の言語に比べて実行速度が遅く、大規模なデータ処理やリアルタイム処理には不向きです。
型エラーが発生する
プログラミングでは、数値や文字列のように様々なデータを扱いますが、これらのデータの種類のことを『型』や『データ型』といいます。
データ型は様々ありますが、目的に応じて、それが文字列なのか数値なのか…などをコンピューターが区別できるようにしています。
Pythonは動的型付け言語といい、そのデータが文字列なのか、数値なのかを自動で区別してくれます。(型を自分で宣言するC++やJavaなどのプログラミング言語を静的型付け言語といいます。)
型の宣言が不要でコードが簡潔になりますが、これが原因で実行時に型エラーが発生することがあります。
大規模なプロジェクトでは、型の管理が難しくなることがあります。
モバイルアプリ開発が苦手
Pythonはモバイルアプリの開発にはあまり適していません。
Pythonが前述したインタプリタ型の言語であることも相まって、特にグラフィック処理や計算集約的なタスクが多いモバイルアプリには不向きです。
AndroidやiOS向けのネイティブアプリ開発には、他の言語(JavaやSwiftなど)が一般的に使用されます。
まとめ
これからプログラミングを始める方や、新しい言語を学びたい方にとって、Pythonは非常に魅力的な選択肢です。
ぜひ、Pythonの世界に足を踏み入れてみてください。
実際にやってみたいという方は、Pythonのインストール方法をこちらの記事で紹介していますので参考にしてみて下さい。
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